最近インスタで「台灣火鍋文化」みたいなハッシュタグが流行ってて、なんとなく気になって富樂を訪れてみた。
日本の鍋料理って、どちらかというと静かで丁寧な空間が多いじゃないですか。しゃぶしゃぶ屋さんで大声で喋るのはちょっと…みたいな。でもここ、扉を開けた瞬間に「あ、台灣だ」って思う。笑い声、呼び込みの声、鍋の沸く音、全部が混ざってひとつの音楽みたいになってる。
番号札を取って外で待つこと約30分。平日の夜でもこの調子。隣に並んでたおばあちゃんが「毎週来てるよ」って言ってて、その一言だけでもう説明要らない気がした。
席に案内されると、すでに菜盤が置いてある。甘蔗底(さとうきびのスープ)が静かにグツグツしてて、清甜な香りがする。日本のだし文化とはまた違う、素朴でやさしい味。牛肉と豚肉と海鮮盤を追加で頼んで、沾料コーナーへ。牛頭牌の沙茶醬、蔥花、蘿蔔泥が大きなボトルで並んでて、好きなだけ取れる。花生粉まであるの、初めて見た。混ぜたら確かに美味しい。
鴨肉鍋も頼んでみた。台灣でも鴨肉鍋は珍しいほうらしくて、スープにじわっと旨みが出てくる。餃子は基隆の三記から仕入れてるって書いてあって、そういう細部へのこだわりがちゃんとある。
肉燥飯が予想より好きだった。シンプルなのに何度でもおかわりしたくなる味。デザートにはソフトクリームマシンと仙草綠豆湯。甘さ控えめで、最後にほっとする。6,140件の評価がある店のラストを飾るのが「甘さ控えめのぜんざい」って、なんかいいな。
正直に言うと、豚肉は少し硬くて、米飯の食感がやや気になる、という声も2人以上から聞いた。入店前に確認しておきたいのは「現金のみ」という点。カードもPayも使えないので要注意。
でも、食後に外に出て、夜風を浴びながら思ったことがある。日本では「完成されたもの」を食べに行くことが多いけど、ここは「賑わいごと食べる」場所なんだと気づいた。味だけじゃなく、あの熱気も、番号を呼ばれる瞬間のドキドキも、全部含めてひとつの食体験。それって、どこの国でも普遍的な豊かさかもしれない。